レビュー

書籍「毒婦」/田中ひかる

【書評】★★★★☆(85点)

この本を薦めたい方

すべての方に。この日本で起きていること、別件逮捕や裁判員制度の是非について深く考えさせられる一冊です。

感想

犯人とされている彼女は「嫌われ者だった」というのがポイントだと思う。日本人は嫉妬の民族でもあり、組織やコミュニティにおいて嫌われると、一気に攻められる。

そして、自分自身で考えない国民は感情で判断してきた。読めば読むほどにこの事件は気持ちが悪い。人の悪意で凝り固まったように見えるからだ。

司法の場においても「感情」が優先される国は不安だ。安心できない。彼女が嫌われようと公正な判断ができる人間が何人いるのだろうか。

そして、裁判員制度は多くの問題をはらんでいる。衆愚裁判だ。空気を読む人間たちが、理性で判断できるとは思えず、裁判に利用されているとさえ思える。

別件逮捕からの冤罪、これは、公権力に嫌われた時には他人事ではない。世の中に感情ではなく理性で判断できる人間が増えることを望む。