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バチェラー5 #01

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

はじめに

今回は、epi01-03視聴後のレビューとなります。

お久しぶりの方も、初めましての方もごきげんよう。バチェラー便乗ブロガー、季節労働者のだだっこぶたです。ここは、カレーを食べようと店に入ったけど、いつの間にかトンカツ食ってたみたいなブログです。テキトーな脱線こそ我が人生。今回の祭りも脱力して楽しんでいきましょう。

一目惚れのつまらなさ

ひと月ほど前、主役の発表に衝撃が走り、青い鳥が一斉に逃げ惑ったのを覚えている。私自身も「解散!解散!!」というテンションにはなったものの、今は概ね肯定的に受け取っている。以前バチェラー4のレビューでも述べたが、「バチェラー=リッチ+イケメン」という構図は限界を迎えていたと思う。

バチェラーは、「リッチな男性に女性が見初められる」という、時代に逆行した価値観のフォーマットだ。それが許されていたのは、シーズン1と2で見られたような、主役がホスト役をしっかりと務め、尊敬をもって女性の個性を丁寧に発見し、ラグジュアリーな空間でもてなすという演出があったからだと思う。

しかし、シーズン3と4を思い出してほしい。恋をしていたのは主役だけで、彼らは一目惚れだけでひたすら突き進んだ。対象以外に興味の持てない彼らは対話もせずに軽薄なデートを繰り返し、白けた女性陣は誰も恋しないままで、番組ファンとしてはそれが残念だった。私はもっと、人間性や心が動くところを見たい。誰かが心のなかに入った時、人はそれはそれは美しい表情をするのだ。

こういう表現は好きではないが、彼らのような所謂高スペックと言われる男性は、総じて解像度の粗い、傲慢な恋人選びをする傾向があると思う。選べる立場であれば取り替えも容易で、我慢する必要もないのかもしれないが、容姿の足切りの上に、お愛想程度の会話でショーが終了となれば、その尊敬の足りない粗末な扱いに観客のフラストレーションも溜まっていく。

バチェラーから時代錯誤の傲慢さを取り除くには、スペックを奪取するしかないというのが現段階での解だったのだろうと思う。もともとは成熟した日本男性がいないという人材難から来ている話で、シーズン5は今後を占う観測気球、ABテストといったところではないだろうか。バチェラーにおいて主役の役回りはある意味黒子で、ショーの成功はどれだけ己を表現し女性陣の人間性や感情を引き出せるかが肝だ。庶民派バチェラーの前で女性は緊張することもなく、従来とは違ったものが見られるのではないかという期待がある。

比肩なきセレブリティでありながら、必ず婚活に苦戦する皇族にひとり心当たりがあるが、まぁ引っ張り出すのは無理だろうし、圧倒的な人材を見たいなら、バチェ民が一願となって手当たり次第に他薦を繰り返すしかないのかもしれない。今回はまぁ、バチェロレッテ・オーディションだと思って、気持ちを逃しながら、だましだまし観るのがいいのではないかと思う。

あのこは貴族、縦の旅

誰も大っぴらには言わないが、この世には階級がある。日本も厳然たる階級社会だ。時代とともに人の移動が民主化され、ある程度は庶民も海外など横の旅ができるようにはなった。しかし依然として、生まれ落ちた階級以外への「縦の旅」は難しい。その、アッパークラスへの興味や夢を一部満たしてくれるのが、虚像ではあってもバチェラーという番組だったと思う。

卵の値段も即答できる庶民の私は、経済力に裏打ちされた、ある種の伸びやかさや、傲慢さ、自負など、主役達のそういう面を面白がると同時に、全てを手に入れた人間は相手をどう選ぶのかという部分に興味があった。だからこそ、シーズン3&4は「結局タイプの顔かいな」という物足りなさであった。顔で選ぶなら、マッチングアプリをスワイプしていれば事足りる。美麗なインスタグラマーにDMを送っていればいいのだ。

つまり、我らバチェ民が楽しむには、一目惚れをしない(もしくは、それを隠せる)、他者に興味があり、好きになる速度がゆっくりな主役が必要だったのだと思う。そういう意味で、長谷川惠一氏はまずまずと言っていい。編集の妙もあるのかもしれないが、誰がタイプか未だわからないし、現時点ではひとりひとり、しっかり会話をしようとしている。表現力は物足りないが、姿勢はとてもいい。

フィッティングがイマイチな彼のスーツ姿は、頼りないバチェラーというクレームを一旦引き受けるための演出で、話が進むにつれてパリッと着こなし、”成長”演出が行われるのではないかと見ている。

倉田茉美以前と以降

「ハイスペック王子を取り合う女のバトルが見たいんじゃ」という意見を散見したが、そもそも最近のシーズンは別に誰も本気で恋してないし、バトってないんじゃないか。出演を名刺代わりに仕事を増やし、合コン荒らしができる2位か3位が一番美味しいと気づき始めているような気がするし、個人的には、放映される可能性が高い悪口や諍いシーンは結託して意図的に作られているような気が以前からしている。

私の分析では、転換期はバチェラー・シーズン2の倉田茉美氏だ。彼女が最終回で述べた「動揺すると自分らしさが消える。自分は自分で行こう」というセリフは今も色褪せない。このような姿勢は、他のリアリティショーに留まらず、多くの者の恋愛観にも影響を与えているように思う。

彼女の登場以来、気に入られようと技を駆使するよりも、自分らしくあることに重点を置く参加者が増えた。選ばれなかったとしても、それは相性の問題だけであって、「私は私」という、ある種の自負と割り切り、そして他の参加者への尊敬があるように思う。

特に今回の別れのシーンは特徴的で、バチェラーよりも女性陣に丁寧に挨拶を交わしているのは気の毒でちょっと笑ってしまう。

もうひとつ、今回の演出で旧シーズンとの違いを感じることに、肉感的な健康美を持つ参加者が多いことと、水着のシーンで女性が羽織や服を着ていたことがある。今までならバスタオルを足元に巻くようなことは許されていなかった。

古来より、必ず身分の低い者ほど衣服は剥ぎ取られ、露出を要求される部位が多い。ファッション以前に、刷り込まれたその文化を、人は瞬時に権威差として無意識で認識してしまうものだ。旧シーズンでよく見られた、水着の尻を煽りカットで撮影するシーンなどはもろに男性目線を感じ不快であったし、女性に服を着せないシーンが続く様子からは、王様と奴隷かよという気分にもなっていた。必然性のない水着シーン、今回ここに是正が入ったことは歓迎したい。参加者は最高にかっこよく、そして眩しく映してほしいのだ。

異世界転生バチェラーの洗礼

子育て方針について語っていたシーンについて考えてみたい。

何も子供の話自体がタブーな訳では無いので、あの時に「将来のパートナーと意見があって、授かることがあれば」という前置きがあれば随分受け取り方が違っただろうと思う。子供を持つことが、まるで既定路線であるように語る彼の姿からは、己を素通りして子どもを見ているように、パートナーよりも家族を欲しがっているかのように感じる。海と森の二択デートについても「家族になったとき」という枕詞をバチェラーは用いた。敏感な女性であれば、この違和感には絶対に気づく。

一番腹ただしいのは、己の理想のために、他者の身体を行使することを当然視しているその態度の傲慢さだ。バチェラー?だからどうした。お前が産め。

今回、すぐに謝罪ができたことは良かったと思う反面、駄目な謝罪の代表格「ご不快構文」を用いた弁からは、実のところ「お前の感じ方が悪い。そのつもりはなかった」と、彼が本質的にはこの問題を理解していないような不安も残る。

女性から直接指摘してもらえたことはとてもラッキーで、通常、女性は指摘せずにそっと立ち去ることが殆どだと思う。自分が見限った男性を、次の女性のために育てる義理や温情はないし、こういう臭い部分はもうセンスなのでそう簡単に改善しない。何事も配慮ができる人間は最初からできる。日常からどれだけ問題意識をもって考えているかが物を言うのだ。

私はこういう失礼な態度の人間に面と向かってキレたり忠告はしないが、心の絶禿ノートに「20年後に頭頂部より同心円状にザビエる」とか、こそこそメモっている。長谷川惠一氏の毛根はいずれ処される。

今回、このトピックを本編でそこそこ大きく取り扱ったのは、制作陣による「時代の転換期を意識させる」という意図によるものだと思う。出演者アンケートひとつ取っても、バチェロレッテ2放映時と比べて男女の失言の有無や成熟差がエグい。つまり、男性の質の低さから罰ゲーム化しないように、この程度のことが理解できない男性は「バチェロレッテに応募するなよ」と釘をさしているのではなかろうか。

精子も劣化する

あの場でガン詰めしなかったガールズに代わって、私がオラオラしてみたい。女性は月の変化があるため自身の健康状態に敏感だが、男性は勃起と射精ができていれば健康だと雑に考えているのではないだろうか。しかし、それは甘い。30歳を超えれば精子も劣化している。精子の量と運動量に問題のあることが多く、損傷のある精子は自然の淘汰が働き、仮に受精に至っても着床率が低く、その後の流産率も高い。

そして、何より自覚的でなければならないのは、男性起因の不妊であったとしても、その治療の負担は女性にかかってくるという現実だ。排卵誘発剤によって多胎妊娠した場合は、減胎という重い選択さえも女性が背負うこととなる。妊娠するまでの苦痛も、妊娠してからの苦痛も、全てを女性が引き受けるという現実を理解していなければならない。

将来子どもを持ちたいと考える男性は、まず泌尿器科に行って精子のチェックをしてみることだ。仮に妊娠させることが難しいと分かれば、恋人の妊孕性(にんよう性)や年齢、性別にさえ拘る必要がなくなるかもしれないし、子どもを諦めきれず不妊治療の負担を相手に強いる未来が確定しているのならば、誠実にそれを伝えるべきである。率直に、自分が原因でもないのに、苦痛と負担を伴う不妊治療を行うことは受け入れ難い。自分がその立場ならそれができるのか、男女の身体性の違いに甘んじて思考停止せずに、しっかりと思考実験しておくべきだろう。

人物雑感

長谷川惠一氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

これは個人の好みの問題で煽るつもりはないのだが、バチェロレッテ2のレビューで、私は彼を「あまりに凡庸すぎて興味が持てない」とまで言い放っている。そして、今もその思いは変わらず、正直ファンがついているのが不思議なレベルで彼の魅力がわからない。素敵な方だとは思うが、「悪い人ではないんだけど」という以外の感想がなかなか出てこない。

人材使いまわしの弊害はこういう部分ではないだろうか。そもそもファイナリストに愛着がない場合、2シーズン続けてツマンネと思ってしまう。今回のレビューは、そういう意味で、個人的にとてもチャレンジングなものになっている。

早速、気力を振り絞って彼の素敵な部分を探したので聞いてほしい。まず、ハンカチ芸と丁寧なお辞儀で女性を見送る姿がとても良い。そして彼は、「何を言おう」と考えながらではなく、ただ聞くということができる人間だ。竹下理恵氏の持病の告白を、彼はただじっと聞いていた。静かで痛そうな目が真摯でとても良かった。「ただ受け止める」これができる人間は少ない。

彼女は背を預けていたが、あの時の彼の表情はやっぱり見ておいてほしかったなと思う。きっと彼女は今後誰かと出会い恋をする。その時にこの夜の空気が力を与えてくれるだろう。

傾聴力を称えておきながら、5秒で手のひらを返すようで申し訳ないが、言っておきたいことがある。女性はそもそも、傾聴力のない女性の友人を持たない。そんなことは人間関係において、一丁目一番地、至極当然のことなのである。しかし、男性になると途端に称賛される。これは裏を返せば、それほどに珍しい行為だからだ。女性は諦観から男性に対して総じて点が甘く、杤木愛シャ氏が言っていたように、しっかり目を見て真剣に話を聞く姿にクラっときてしまうのも、まぁ分かる。

また、彼の会話の特徴に「俺も俺も」と共感を示す態度が多々あるが、私はこれをやや訝しく思っており、共感力については未だ懐疑的だ。誰もの会話に同調する軽々な姿は滑稽で、相手の言葉を借りたり、それに乗っかることなく、オリジナルで己の思いをしっかり言語化している姿を見たい。人生の後半に入った年齢にふさわしく、後出しではない自分の考えや思いを自ら話す彼が見てみたい。

気になる発言

「考えるのを止める」ハイ、これ私の逆鱗。「落ち込むことがなくポジティブでありたい」という内省のなさが失言に繋がっているし、「考えるスピードが遅い」というのは、普段の思考の足りなさから来ている。思考も筋肉なので鍛えなければ伸びない。今回のショーはいずれの会話も女性がリードしている。彼はそれに乗っかるだけで、そうやっていつも楽をしてきたのだろうと思う。自分の感情や思考は、自分自身で探さねばならない。

「心許したらしゃべんなくなる」という発言からは、関係がこなれてきた将来には、料理を出してもウンともスンとも言わず、「俺が黙って食べてるってことは美味しいってこと」とか言いそうである。朴訥と言えば聞こえはいいが、彼の物足りない愛情表現に女性は耐えられるだろうか。個人的にはかなり厳しいと思うし、彼はこれまで何度も浮気されてきていると思う。

「女性がガーッと言ってくる」という言葉からは、それまでに散々旧彼女から発せられているであろう婉曲表現SOSを彼は受け取れておらず、我慢を重ねた結果、勇気を振り絞って直接的で強い表現を使う必要があったということで、これもなかなかストレスが溜まるポイントだと思う。

ドン引きロックオン

epi02のカクテルパーティーで、大内悠里氏が涙をこぼしながら勇気を振り絞って話すシーンにおけるバチェラーの表情に、私はドン引きしていた。

「この女、イケる」と、己の優越を確信し、呑み込もうとする雄の表情。下の歯だけを動かし、ニタニタ舌なめずりして獲物を見定めるような表情が気持ち悪い。下心を鷹揚さの演出で隠そうとしているが、ダダ漏れだ。

全般的に、幼さを感じさせる参加者には全く興味を示していない彼だが、距離感が遠いにもかかわらず彼女にだけは珍しく「振り向かせたい」とまで思っているような気がする。

彼の一番いいところ=真剣な目で話を聞くところ

西山真央氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

海辺のデートで、魂の抜けたバチェラーがボケーっと呆けていたのが印象的。彼女はなんだか、人をリラックスさせてニュートラルに戻すというのか、邪魔をせずに無の時間をあげられる人なのかもしれない。

常にガハハと、ロマンティックを吹き飛ばしてしまうような彼女だが、バチェラー自身もそういう演出ができそうにない人間なので、これはこれで互いにストレスがないのかもしれない。恋人をすっ飛ばして熟年夫婦になりそうな雰囲気だ。もう貫禄出ちゃってる。

彼女は本気になるとすごくシャイになるタイプの気がするんだけど、どうかな。

彼女の一番いいところ=落ち着いた雰囲気と安定感。

尾﨑真衣氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

買い物デートではしゃぐ彼女は緊張しながらも可愛らしい。一方、チマチマと涙を何度も何度も拭う様子がしつこくて話が入ってこない。頭の中で、メイク崩れと会話の半々に意識を取られていることが伝わり興ざめだ。

これは素人特有の問題で、何も彼女だけの話ではないが、過度に髪を触ったり、口元を隠したり、涙の流し方を知らない。フィクションの中の俳優は絶対にそういうことをしないし、小物感のある所作にどことなく冷めてしまうというのは正直ある。最後に取りこぼした涙が頬を伝ったが、これが一番美しかったと思う。

これから出演を狙う人たちは、このあたりも自分でチェックしておいた方がいいのではないだろうか。特に顔周りの手の動きをコントロールすることで印象はかなり変わる。爪痕を残すというのは1秒1秒を勝ち取るということなので、顔を隠している場合ではない。

バチェラーとしっとり話していたが、イマイチ噛み合っていないと思ったのは私だけだろうか。関係性の浅さ故か、まだまだ会話がフワフワしている。

彼女の一番いいところ=丁寧で上品な仕草。

高須賀佑紀氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

錯綜する情報に惑わされず、自分で見たもので判断すると言いきった冷静さに知性を感じた。

彼女の一番いいところ=冷静さ

月田侑里氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

バチェ民からの期待を集める彼女だが、ネタ枠登場をするでもなく、どうにも動きが悪い。そろそろヒットを打って塁に出てほしいというのが正直なところだ。

もしかしたら彼女は、バチェヲタが極まりすぎて、「撮影の裏側が見たい」という一念で出演を果たし、もう満足してしまっているのかもしれない。

何も大したことを言っていないが、バチェラーは感銘を受けているようなので、何か決定的な会話がカットされているのかもしれないし、異様な浮きっぷりの彼女が気になっているのかもしれない。

当ブログの読者が万一出演することがあったら、どうか豚ピース(まず手の指を全てきれいに揃えてから、中指と薬指の間をピギッと思い切り広げる)で合図を送って欲しい。必ず1000文字を捧げる。

彼女の一番いいところ=ミステリアスな雰囲気

周典氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

明るくおどける彼女は、第三者が見ている分には面白いが、バチェラーはどう感じているだろうか。

ふざける態度ばかりを見せていると、いざ真剣な話に踏み込んだ時に、話をかわされるのではないかという不安にも繋がる。epi03のカクテルパーティーにおける真面目なトーンも素敵だったので、そろそろ落ち着いて別の面を見せて欲しい。

本人も自覚しているように、バチェラーと系統が合わないとは思うが、彼が誰かに相談したいと思った時、案外彼女の顔が浮かぶのではないかと思う。色抜きで良い友人関係になれそうで、まぁ、そういう出会いも素敵だと思う。

大内悠里氏と明石真由美氏の部屋にブチ込まれるのはキツそうだなと外野は思ってしまうが、それなりにやっていそうで、流石のバランス力といったところだろうか。

彼女が高須賀佑紀氏との別れのシーンで、真剣な表情で何度も頷きながら、最後の最後までアイコンタクトを取ろうとしていた姿にジーンときた。伝えたいことが、いっぱいあったんだろうな。

彼女の一番いいところ=人のことを先に考えられるところ。道化になれるところ。

竹下理恵氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

彼女は攻撃力が高い。小気味よく繰り出されるジャブは確実にバチェラーに効いている。あっけらかんとした彼女の色気は、過去出演者の誰も持ち合わせていないタイプのもので、相手をくすぐりながらも後味がスッキリしていて胸やけしない。トーンをガラッと変えて艶のある雰囲気を作り出すのが本当に上手だ。

メイクを通して表現を常に考えているからだろうか、伝える力がとても強い彼女は心に残る。彼女と過ごした人は、あのソワソワした高揚感を忘れられないのではないだろうか。

彼女が持病の告白をしたのは、ある意味勝負に出ている。服薬と妊娠・子育ての継続は両立できない可能性が高く、子供について彼女のなかではおそらく答えは出ている。想像する未来に必ず子供がいるバチェラーに対して、その時が来たら、誰かの代わりに自分を切って、本懐を遂げて欲しいという優しさから早めに伝えたような気がする。

私は彼女の前向きな強さと、今この時を生きるという姿勢に心を打たれた。生命力に溢れ、元気を分け与えられそうな彼女がメイク講師というのは天職かもしれない。

彼女の一番いいところ=勇気を出して想いを言葉に乗せられるところ

大内悠里氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

なかなか掴めない不安定なキャラクターだ。彼女は女性や友人がいる場ではリラックスできるものの、よく知らない人といるとしばらくの間は過緊張になるのかもしれない。

バチェラーとのハグも身体が反っていたりするので演技でもなさそうだ。警戒心が強く野生動物のような彼女は、本来の自己表現をするまで時間がかかるのだろうが、このタイプが懐いてくれたら、男女問わず癖になってしまうような気がする。バチェラーの回答に大仰に驚く様子がもろ接待っぽかったが、普段からの挙動不審がそれを隠し、そこそこナチュラルに見せている。注目を集め、追わせるのが上手だ。

教祖業をやり続けるのもいいが、オタクっぽいので、月田侑里氏、杤木愛シャ氏の三人でヤベェ会話をしてみてほしい。

彼女の一番いいところ=しっかりと自分の考えを持ち、伝えられるところ。

鈴木光氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

ドレスを着用しても、パンツを履いてるように大股でパタパタ歩いてしまう。そんな飾らない彼女がハツラツと振る舞う姿は眩しく、ついつい目で追ってしまう。皆がダンスに夢中になっている間に、ちゃっかりバチェラーのすぐ横まで瞬間移動している抜け目のなさも面白い。現段階で誰よりも俯瞰で勝負を制しているのは彼女だ。

カメムシやセミを助けることはあっても、カブトムシのためにスイカの余白は残さない。スイカ、大好きなんやね・・・食いしん坊可愛い。

それにしても、初回のカクテルパーティーで彼女にくすんだ朱色のドレスを着せた奴は誰だ。全然似合っていないし、顔色が悪く見える。彼女には、黄みを抑えた硬質感のある金色のドレスを着てみてほしい。きっと妖精のように似合うはずだ。

彼女の一番いいところ=あらゆることをポジティブに笑顔で受け取るところ。

齋藤由依氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

彼女の明るくマイペースな様子は、自然とバチェラーや場をリラックスさせていたように思う。

絵の交換日記は実現しなかったが、これはいいアイデアで、バチェラーの情報が多く詰まった返信だったと思うし、彼にぼんやりと自分を見つめる時間をプレゼントしている。

毛穴というワードを連発する彼女は、嫌な気持ちも含め、身体に取り込んだものをデトックスする能力が高い。淡々と現実を受け止め、自分の軸をブレさせないところがとても魅力的だ。

彼女の一番いいところ=切り替えのよさと前向きな姿勢。

本田美羽氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

竹下報告会を心底興味なさげにつまらなそうにしていたのと、ホテルの部屋で「やる気なくなる」と愚痴るシーンが印象的。

バチェラーに恋ができるような様子もなかったので、早めの敗退でよかったのではないかと思う。

一回り以上の年齢差がある場合の、若者のリアルなダルさが出ていて大変良かった。そんなもんよ。

彼女の一番いいところ=?

竹田智美氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

16名の女性のなかで、私が最初に話しかけるとしたら聡明そうな彼女だ。

アンケートの「あなたにとって恋とは?」という質問に、「毎朝一番最初に思う人」と答える彼女に興味がある。時間や空間と恋の記憶を重ねる様子からは、経験の豊かさを感じる。初回落ちは本当に残念だった。

それにしても、ローズセレモニーに差し込まれるコメントはいつ撮影しているんだろう。セレモニー前に数パターン撮影しているのか、まさか間にコメントタイムがあるのだろうか。できすぎていてなんだかなぁという気持ち。

彼女の一番いいところ=?

明石真由美氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

彼女はおそらく、鶴&アズアズに代表される面白かき回し枠だと思うのだが、全般的に大人っぽい場の雰囲気に飲まれ、あざとムーヴが封じられてしまったのは残念だった。もうピクミンのような髪型しか覚えていない。

齋藤由依氏と仲が良さそうだったので、つられて自分のことを自由に解き放っちゃって、うっかり仕事するのを忘れていたのかもしれない。

結局のところ、こういうぶりっ子ぶっ飛びキャラはたいてい作られたもので、中身は至極真っ当で冷静というネタバレになってしまった感がある。営業妨害されてしまったが、トークSPでキャラ振れを修正してはっちゃけてくれるのを期待している。

彼女の一番いいところ=?

児玉愛里氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

”約束”の引き際もあっさりしていて好印象だったが、彼女から漏れ出す圧がバチェラーは苦手だったのかなと思う。

米俵でも背負って、笑いに全振りの登場をしていればまた違ったかもしれない。彼女からはなんだか、下手な冗談を言ってはいけないような、鼻息の荒い妙なプレッシャーを感じる。

初回で落ちた二人はいずれも一番大人っぽさと知性を感じる女性で、その後に落ちたのは子供っぽさと知性の不足を感じる女性だった。バチェラーは自分を超えないレベルの中庸さを求めているような気がする。

彼女の一番いいところ=積極性。初手から保身に走らず勝負に出たところ。

大野博美氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

アンケートの「男性が魅力的に見えるシチュエーションは?」という問に、「自分のことを見る目が真剣なとき」との答えは分かるような気がする。

榮倉奈々を思わせる、少し幼い話し方と語尾が可愛らしい。

前段できっと何かしら食べさせられていることを察し、出会いの場でお茶を差し入れるところも優しくて気が利いている。自分の考えを真っ直ぐに、かつ相手を否定せずに伝える姿もかっこよく、もうしばらく見ていたかった。

彼女の一番いいところ=大切なことを伝える勇気。話し合おうとする姿勢。

輿水りさ氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

カイヤを彷彿とさせる面倒臭さは抜群のエンタメ性を兼ね備えている。

浴衣にまつわる話はよくできていて、「ずっと想っていました」という本気度も伝わるし、次のデートに繋げる伏線にもなる。彼女はなかなかの策士で頼もしい。

デートに夢中という捉え方もできる一方で、花火をする二人の会話は空っぽだ。彼女はとにかくオウム返しや同じ言葉を繰り返すことが多い。バチェラーはこういう身の入っていない部分に今後引っかかるんじゃないかなという予感がする。

花火後の「御託はいいから、はよバラ渡しや」という眼力に痺れる。アグレッシブさがいい。好き好き言っているが、彼女が大好きなのは恋してる体の自分で、それもまたいい。このまま、りさロードを爆進してほしい。

彼女の一番いいところ=感情ジェットコースター

杤木愛シャ氏

(C) 2023 Warner Bros. International Television Production Limited

彼女がレッドカーペットに降り立った時、その圧倒的な佇まいに思わずため息が出た。完璧な顎の角度と堂々としたポージングに惚れ惚れしてしまう。

存在感の割に放っておかれている彼女だが、これはバチェラーの自信のなさからではないかと思う。場馴れして、息が整ってからバチェラーは仕掛けるような気もするが、あまりしっくりこない二人なので、別れは近いのかもしれない。彼女が恋をすると、めちゃくちゃ可愛くなると思うのだが、間に合うだろうか。

彼女の一番いいところ=優雅さと愛嬌の同居

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